こんにちは、たっきーです!
たきログでは個人資産1000万円をもつ専業主婦が、書籍から学んだ金融知識を発信しています。

今回はわたしたち夫婦の不妊治療の体験談です
まずは、こちらのデータをご覧ください。
日本で、不妊の検査・治療の経験がある夫婦は22.7%で約4.4組に1組といわれ、「不妊かもしれない」と悩んだことのある夫婦の割合も年々ふえています。
不妊は特別ではない(こども家庭庁)
日本で2021年に体外受精で生まれた赤ちゃんは、6万9797人。約12人に1人は、生殖補助医療によって生まれた赤ちゃんということになります。タイミング法や人工授精などの一般不妊治療をふくめれば、さらにその割合は大きくなります。
不妊は特別ではない(こども家庭庁)
わたしも不妊治療を受けて、現在は第一子を妊娠中です。
今回は同じ悩みをもつ女性の方へ、より不妊治療を身近に感じていただきたいという思いで記事にまとめました。



不妊治療って具体的にどんなことをするの?いくらかかるの?
卵管造影検査が痛いって聞くけど、どれくらいの痛みなの?



今回はそのような悩みにお答えしていきます!
- 不妊治療の始めるまでの経緯とは?きっかけはあった?
- 不妊治療を始める前に知りたかったこと
- 一般的な治療方法と金額
- (体験談)実際の不妊治療の流れ&支払った金額
- (体験談)卵管造影検査の感想
「早く子どもがほしい」という方にも、あるいは「いずれは子どもを望んでいるけど急いでいない」という方にも、不妊が決して他人事ではないことを知っていただきたいです。
それでは、早速いきましょう!
不妊治療を始めるまでの経緯


わたしが最初に婦人科を訪れたきっかけは3つありました。
きっかけ1:結婚式を終えて、夫婦で子どもについて話す機会が増えた


まずはかんたんなプロフィールから。
夫33歳(会社員)・わたし33歳(専業主婦) 結婚5年目
2019年:結婚・2人でブライダルチェック(どちらも異常なし)
2021年:夫の転勤にともない、仕事を退職(以後、専業主婦)
2024年:挙式&はじめて婦人科を受診
結論からいうと、入籍してから婦人科を受診するまでに5年かかりました。理由は主に以下のとおりです。
- 入籍時のブライダルチェックで異常がなかったから
- 急いで子どもを望んではいなかったから
- 結婚式が延期になって身体のサイズを気にしていたから
- 毎年の健康診断で異常がなかったから
- フルタイムの仕事が忙しかったから
- 地方と都内の考え方の違い
個人的な事情なのですが、入籍した同年に結婚式場にて式を予約するもコロナで無期延期になってしまい、妊娠するという選択肢が自分の中で消えていました。
その後、5年が経過した昨年に家族で結婚式を執り行い、ようやくドレスの呪縛から開放され「結婚の次は出産・子育て」の自然な流れで夫と子どもについて話す機会が増えました。



結婚式やフォトウェディングは、次のステップへ進むためのきっかけにもなると実感しました。
また、これはあくまで主観なのですが、都内に住んでいた頃は地元(地方)の友人との価値観の違いを感じていました。
都内:30代前半は夫婦ともにまだまだ働き盛りだから子どもはまだ先でいい
地方:30代前半で第一子を出産をしていないと、少し遅い印象
都内では未婚で働く女性も多く(むしろそれがカッコいいと感じる場面も多かったので)特に焦りを感じることもなかったです。



住む場所によっても子育てへの考え方は大きく異なり、わたしも少なからず影響を受けていたと思います。
きっかけ2:ブライダルチェックから5年が経過したから「もう一度検査したい」


入籍時にブライダルチェックを済ませていましたが「5年経過したのでもう一度検査しておきたい」と思い、近くの婦人科を検索しはじめました。また、自分の中で「5年も避妊していないのに子どもができないのはおかしくない?」という気持ちがあったのも事実です。
このときは「とりあえず検査してみよう」との思いで〝産婦人科〟でなく〝婦人科〟に行ってみようとなりました。
また、自宅でもすぐにできることとして葉酸アプリを飲みはじめました。


葉酸は妊娠を希望する女性には欠かせないサプリとして有名なので、このタイミングで飲み始めたのは結果的によかったです。妊娠発覚後も、赤ちゃんのためにそのまま飲み続けています。
きっかけ3:「卵子を保存するなら34歳まで」というネット記事を見て怖くなった


30代に入ると、まわりの友人はほとんど子持ちになりました。
しかしわたしの周りには不妊治療をしている人がおらず、誰にも相談もできない(したくない)状況で、今振り返ると友人と話すときも「望んでいるけど、今はまだいい」と小さく嘘をついていました。
そんなとき、ネット検索するとこんな記事が!
卵子の質の低下が少ない34歳までの受精卵凍結がベストですが、36歳までであれば将来の妊娠に対し有効であると考えます
はらメディカルクリニック
記事を見て、より一層「検査したい」という気持ちが強くなりました。
以上の3つが、わたしが婦人科を受診しようとしたきっかけです。
不妊治療を始めて気づいたこと


〝男性は検査に行きたがらない〟は普通のリアクション
男性の検査は主に精液検査と泌尿器科的な検査に分けられますが、受診したほとんどの方が精液検査を受けることになります。
精液検査ではマスターべーションで採取した精液を用いて、精子の量・質・運動率などを測定します。
1ヶ月に2回行うことが推奨されていますので、少なくとも2回の来院が必要となるケースが多いです。
また病院によっては自宅での採取も可能ですが、採取後30分〜2時間以内に提出する必要があります。
夫も最初は嫌がっていたため、わたしから無理にお願いすることはしませんでした。しかしわたしの検査結果などを話す中でこちらの真剣さが伝わったのか、自分で男性専門の不妊クリニックを探して検査を受けてくれました。
合計2回通院して結果は異常なしとのことだったので、夫はそれ以降は通っていません。「男性専門のクリニックだったため、女性の目を気にしなくてよかった」と話していました。
不妊専門クリニックでなくとも、一般的な婦人科で検査はできる



いきなり不妊専門クリニックに行くには、心理的なハードルが高いですよね。
仮に40歳を超えており最初から体外受精を検討しているなどの急ぎの場合でなければ、「近くの婦人科で一度検査を受けてみよう」くらいの気持ちで大丈夫だと思います。
いずれステップアップすることになれば大学病院や不妊専門クリニックに転院することになりますが、そのときは必ず紹介状を書いてもらうことを忘れずに。(検査の二度手間を防ぐため)
平日にも病院に行く必要がある & 病院は自宅または職場の近くで探そう
実際に不妊治療を開始すると「生理○日目に来てください」と指示されることが多く、平日にも来院する必要がでてきます。仕事を休みづらい方は、信頼できる上司に「不妊治療をしている」と話しておくのもひとつの手かと思います。
また頻繁に通うことも考慮して、自宅または職場の近くで病院を探すことをおすすめします。
確実に年齢は重ねている
後述しますが、わたしはホルモン検査の結果を提示されて「確実に年齢を重ねている(=卵の数は確実に減少している)」と実感しました。
また自分では気づいていなかったのですが、病院で生理周期が乱れていることを指摘されて、より一層危機感を覚えました。生理周期が乱れていると排卵日を予測することが、より難しくなります。
わたしは検査結果を受けて、より一層子どもがほしい気持ちが強くなりました。



普段使用している生理管理アプリの排卵日と先生に予測してもらった排卵日とでは2日もの誤差があり、驚きました。
通院すればおおよその排卵日を指導されますが、毎日通院するわけにもいきませんのでその意味では医師でも確実に排卵日を予測できるわけではありません。現在は自宅でも排卵日を予測できる優れモノがありますので、合わせて使用するがおすすめです。


不妊治療の種類と金額の目安


続いて、一般的な不妊治療の種類と金額について解説します。
ある程度の知識をつけて検査にいくことで、医師の説明を落ち着いて聞くことができます。
不妊治療の種類
Step1:タイミング法
Step2:人工授精
Step3:体外受精
タイミング法とは
医師が妊娠しやすい時期を指導して、その時期に性交渉を行い自然妊娠を目指す方法。
医師は基礎体温や超音波検査により排卵日を予測します。不妊治療のファーストステップで、2022年4月からは保険適用されています。
人工授精(AIH)とは
男性の精子を洗浄・濃縮して、女性の排卵時期に合わせて子宮内に直接注入する方法。
2022年4月からは保険適用されており、一回5,000円程度(年齢・回数制限なし)。
◯人工授精のメリット
- 動きのいい精子(運動率の高い精子)を届けられる
- 精子が卵管を泳ぐ距離が短くなり、卵子と出会う確率が高まる
- やわらかい樹脂製のカテーテルでの注入なので、痛みはほとんどない
- 不妊治療専門クリニックでなくとも人口受精までは対応可能な病院が多い
✕人工授精のデメリット
- 自然妊娠と比較して、劇的に妊娠率が上がるわけではない
- 3〜5回のトライが一般的
体外受精(IVF)とは
体外で精子と卵子を受精させて、受精卵を子宮内に戻す方法。受精方法は2種類あり、精子と卵子をシャーレ内で受精させるのが「体外受精」、卵子に針を指して精子を注入するのが「顕微受精(ICSI)」。
2022年4月からは保険適用されており、体外受精だと一回12,000〜15,000円程度(年齢・回数制限あり)。顕微受精だと一回15,000〜40,000円程度(年齢・回数制限あり)。
保険適用となる年齢・回数制限について
治療開始時点の女性の年齢が
- 40歳未満:最大6回まで(1子ごと)
- 40歳以上43歳未満:最大3回まで(1子ごと)
◯体外受精のメリット
- タイミング法や人工授精と比較して、高い妊娠率が期待できる
- 複数の受精卵を得られる可能性がある
✕体外受精のデメリット
- 排卵誘発剤の使用や採卵のための注射など、女性の体への負担が大きい
- 通院回数が多い
- 治療が高額になる
【卵管造影は痛かった?】わたしの不妊治療の全記録


それでは、わたしが受けた不妊治療について、金額や通院回数も交えてお伝えしていきます。
不妊治療の通院記録と金額
結論から申し上げると、わたしはタイミング法1回目で妊娠しました。
具体的な金額は十の位を四捨五入で表示しています。
診察内容
- クラミジア検査(結果は次回)
- 基礎体温をつけるように指導された
- 避妊期間や子どもを希望しているかの質問があった(希望と回答)
- 次回はホルモン検査のため生理3日目に来院するよう指示された
所感
- 初めて不妊治療を目的に婦人科を受診し、とても緊張した。
- 今後はホルモン検査等の結果を受けて【タイミング法】→【人工授精】→【体外受精】の順にステップアップするとのこと。(体外受精になれば提携の病院への紹介となると説明があった)
- 専門用語が多く、話が難しかった。正直なところ、この時点では人工授精と体外受精の違いもよくわかっていなかった。
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診察内容
- (結果)クラミジア検査 陰性
- ホルモン検査(採血、結果は次回) ※生理3日目
- 卵管造影検査の打診あり→了承し、紹介状を受け取る
- この検査のためにクラミジア検査が必要とのこと
診察内容
- 子宮卵管造影検査(HSG)→異常なし
子宮内に造影剤を注入し、レントゲン撮影によって支給内腔の形態、卵管の疎通性、腹腔内の癒着を評価する検査。
- 月経7〜10日目に実施する
- 事前に痛み止めの坐薬を使用、麻酔なし(病院により処置は異なる)
- 検査後は3日間抗生剤を服用する
- 造影剤は脂溶性のリピオドールを使用(病院により種類は異なる)
- 5年ほどは造影剤が腹部のレントゲンで残るため、健康診断で聞かれることがあるとのこと
- わたしの場合は最低量(2〜3ミリ)で終了した(最大量は10ミリとのこと)
所感
- 造影剤注入時に、重い生理痛のような痛みがあった
- 普段は生理痛2日目に生理痛薬を服用する程度だが、今までで1番重い生理痛だと感じた
- 痛かったけれど、数秒で終わったので麻酔なしで我慢できた
- もし仮にもう一度同じ検査を受けることになっても、麻酔はなしで大丈夫という印象
- 痛くてモニターが見られなかったけれど、注入中に先生がお腹を揉んでくれたのがよかった
- 検査後は腹部に多少の違和感が残る感じがあったが、数時間で減退した
診察内容
- 腹部レントゲン(造影剤の広がりをみるため)→異常なし
- 検査の影響で膣カンジダだったので、膣剤を挿入(オキナゾール膣剤600mg×1錠)
所感
- 異常なしで、とても安心した
- 膣カンジダで膣内にかゆみあり(ただし、医師に言われて気づく程度の軽度なものだった)
診察内容
- (結果)ホルモン検査
検査結果
- 「多嚢胞性卵巣症候群のきらいがある」とのこと。LH(黄体形成ホルモン)がFSH(卵胞刺激ホルモン)に比べて高いため。ただし、症候群といえる数値ではないため過度な心配は必要なしと説明あり。
- AMH(抗ミュラー管ホルモン) 2.74
- 平均値と比較して、実年齢より+1〜2歳
- 先生曰く、平均値はあくまで目安で個人差があるらしい
- 一度も妊娠を経験していない場合は実年齢より高くなる傾向あり
女性ホルモンの一種で、卵巣内にある発育過程の卵胞から分泌されるホルモン。卵子がどの程度残っているかを推測する指標となる。
女性は生まれながらに卵巣内に卵胞があり、排卵を繰り返すにつれ卵胞が減少する。生まれたときの卵胞は約200万個で、生まれた後で卵胞が増えることはない。
AMHの平均値
32歳 3.54
33歳 3.32
34歳 3.14
35歳 2.62
あくまで排卵できる期間の目安であって、卵子の質(=妊娠率)の指標ではないので注意。
- ホルモン検査の結果と年齢を考慮し、今後の方針が決定
- 【タイミング法】3回実施→【人工授精】1〜2回実施→【体外受精】
- 人工授精はタイミング法と妊娠確率があまり変わらないこと、そして体外受精での妊娠率は9割にのぼるが女性側の負担が大きいことを説明された
- 次回は月経開始日から12日目までに一度来院するよう指示
診察内容
- タイミング指導
- ◯日から2日おきに2〜3回ほどタイミングをとるように指導された
- 超音波検査で、大きくなっている卵胞あり
- わたしの場合は排卵日が平均より早い傾向にあるので、次回は生理開始日から10日目までに一度来院するように指示された
体の変化
- 先生の指示通り、○日から2日おきに2回タイミングをとった
- タイミングをとった一週間後から発熱(37.1℃)し、次回の来院まで続いた
(妊娠の可能性を感じ、市販薬等は使用を控えた)
診察内容
- 尿検査→陽性
- 超音波検査
- 目視では確定できず。ただし、小さな胎嚢らしきものあり
- 子宮外妊娠の兆候はなし
- 子宮内が厚くなっており、妊娠の兆候あり
- 一週間後に来院の指示
診察内容
- 超音波検査
- 胎嚢が16.1mmになっており、中に胎芽(赤ちゃん)と卵黄嚢(赤ちゃんの栄養がつまったもの)が確認できた



以上が、わたしの不妊治療の全記録です。
不妊治療の通院回数と総額
不妊治療の通院回数と総額
通院回数 7回(婦人科5回、大学病院2回)
総額 29,900円
※ 妊娠確定後は自費診療になるので、今回は保険診療期間のみ合計
最後に


長い間、頭のどこかで「いつか子どもがほしい」と思っていても、そのきっかけとなる出来事はなかなか訪れないものです。なんとなくで時間が流れ、気づけば高齢出産の壁が目前に、なんてことは現代の働く女性にとってはよくあることではないでしょうか。
思い立ったときに、まずは検査。異常がなければ幸いですし、仮に治療が必要になっても年齢が若いほど妊娠率は高まります。結婚していても、していなくても、そして仮に子どもを望んでいなくても自分の健康を守る意味で一度婦人科を受診してみることをおすすめします。
この記事が誰かの一助になりますように!