こんにちは、たっきーです!
たきログは、若手のビジネスパーソンに向けて、本の学びと知識を共有しています。
本日は『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』(ジェームズ・クリアー 著)の紹介です。
達成できずに、すぐ途中で諦めてしまうことが多い…
良い習慣を身につけたいけど、なかなか続かないなぁ…
あなたのそんな悩みを解決します。
- 『複利で伸びる1つの習慣』の要約と所感
- 習慣の基本構造
- 良い習慣の身につけ方
- 悪い習慣の断ち切り方
本書は、アメリカ版Amazonの書籍売れ筋ランキングで175週連続ランクインした大ベストセラーで、ニューヨーク・タイムズ紙やタイム紙などに掲載されるほどの人気本です。
著者のジェームズ・クリアー氏の提唱する習慣化の方法論は、NFL(プロアメリカンフットボールリーグ)、NBA(プロバスケットボールリーグ)、MLB(プロ野球リーグ)などでも利用されています。
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それでは、早速いきましょう!
最小習慣の驚くべき力
今まで、あなたが習慣化を”気合い”にまかせていたのなら、それは大きな間違いです。
本書の参考分野は、生物学・神経科学・哲学・心理学など多岐にわたり、科学的根拠にもとづいた習慣化の実践マニュアルといえます。
まずは、習慣化のもたらす効果について、認識を合わせていきましょう。
小さな変化が驚くべき成果をもたらす
習慣は自己改善を
ジェームズ・クリアー.ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣.パンローリング株式会社.
複利で積み上げたものである。
毎日1%の改善を積み重ねると、一年後には、その小さな変化が驚くべき成果を生み出します。
1年は365日。毎日たった1%の改善で、1年後には37倍の効果が得られるのです。
1.01の365乗=37.78
0.99の365乗=0.03
逆に、毎日1%悪い習慣を続けると、一年後に両者の差は約1260倍になってしまいます。
これが”複利の力”ですね!
小さな変化が驚くべき成果をもたらす。
ジェームズ・クリアー.ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣.パンローリング株式会社.
構造思考
良い習慣を身につけたいと思ったとき、”気合い”や”モチベーション”に任せてしまうと、長続きしません。
本当に変えるべきは”仕組み”であり、”構造”です。(=構造思考)
習慣にできなかったのは、けっしてあなたの目標が高すぎたわけでも、低すぎたわけでも、ましてや気持ちが弱かったわけでもない。仕組みを変えなかったから、今までの習慣化が上手くいかなかっただけです。
この構造思考という考え方は、以前の記事でも解説しました。
自分の身の回りに起きるすべての出来事は、構造と運でできていると捉えること。
感情的な判断をせず根本的な問題解決に力を注げるようになる。
引用:マコなり社長.【確認必須】知っているだけで人生が変わる言葉TOP5.
習慣化の4ステップ
どのような習慣も、はじめは試行錯誤から始まります。
それが習慣になるにつれて、脳神経の活動レベルは下がり、いずれは無意識でもできるようになります。
なぜなら、人の脳は『エネルギーを極力使わないこと』を最終ゴールにしているからです。
では、これを踏まえて習慣化を分解してみましょう。
どの習慣も次の4ステップを含むフィードバックループになっていることがわかります。
報酬が近くにあるという最初の兆候。きっかけが脳に行動を起こさせる。
例.
- スマホが鳴る
- 目が覚める
- 上司から小言を言われて心理的ストレスを感じる
あらゆる習慣の原動力。
求めているものは習慣そのものではなく、習慣によってもたらされる状態の変化である。
例.
- メッセージの内容が知りたい
- 頭をはっきりさせたい
- ストレスを発散したい
獲得すること・実際に行う習慣のこと。肉体的・精神的なハードルの高さで実行するか決まる。
例.
- スマホを手に取りメッセージを読む
- コーヒーを飲む
- 爪を噛む
あらゆる習慣の最終目標。次の習慣のきっかけとなる。
例.
- メッセージを読みたい欲求が満たされる
- スマホを手に取ることが、スマホの音と結びつく
- 頭をはっきりさせたい欲求が満たされる
- コーヒーを飲むこととが、目を覚ますことと結びつく
- ストレスが軽減される
- 爪を噛むことが、ストレスと結びつく
良い習慣の身につけ方・悪い習慣の断ち方
習慣化が4ステップで構成されていることから、良い習慣の身につけ方・悪い習慣の断ち方は、次のアプローチが有効です。
習慣化の重要性と構造を理解したうえで、次章からは ①はっきりさせる、②魅力的にする、③易しくする、④満足できるものにする を、それぞれ第1法則〜第4法則として、事例とともに解説していきます。
第一法則:はっきりさせる
新しい習慣を始める方法
新しい習慣を始めるとき、あなたはそれをいつ、どこで行うのかあらかじめ決めておくべきです。
これは実行意図と呼ばれ、習慣の始まりである”きっかけ”をはっきりさせる効果があります。
<現在の習慣>をしたら、
<新しい習慣>をする
あなたの生活の多くは、習慣で成り立っています。
たとえば、朝起きる→カーテンを開ける→顔を洗う→コーヒーを飲む…といった具合に、ひとつの習慣が次の習慣を引き起こすきっかけになっている。
よって新しい習慣を身に付けたいとき、あなたが毎日行う習慣と紐づけることで、実行率を格段にアップさせることができます。
例.
- 読書の習慣を身につけたい
電車に乗ったら、本を1ページ読む - 日記の習慣を身につけたい
朝のコーヒーを飲んだら、手帳を開いて日記を書く
あなたが毎日行う習慣と、
新しく身につけたい習慣を組み合わせる
モチベーション<環境
人の身体には感覚受容体が約1,100万個あるといわれていますが、そのうちの1,000万個が”見ること(視覚)”に使われています。つまり、あなたが思っている以上に”視覚”は大きく影響しています。
見えるところに置く
- 読みかけの本は、ダイニングテーブルにおきっぱなしにする
- デスクに鏡を置く(→自己認識能力が高まり、冷静になれる)
見えるところに置かない
- 勉強の前にデスクからスマホをしまう
- お菓子を棚の奥底にしまう
- スマホの待ち受けからSNSアプリを削除する
モチベーションに頼るでのはなく、環境を変える努力をしましょう。
自制心のある人は、自制心が要らないように生活を設計します。
見えるところに置く、
見えるところに置かない
第二法則:魅力的にする
誘惑の抱き合わせ
あなたがNetflixで韓国ドラマを観るのが好きだとしましょう。
それと同時に、新しくランニングの習慣を身につけたいと思っている。
仕事終わりに、「ドラマを観るか?」それとも「走りに行くか?」を毎回天秤にかけていたら、おそらくランニングに行く機会は多くないでしょう。
この判断自体を減らすために、2つを組み合わせることをおすすめします。
<現在の習慣>をしたら、
<新しい習慣>をする
<新しい習慣>をしたら、
<やりたい習慣>をする
例.
仕事から帰宅したら、シューズを履き替えてランニングに行く
ランニングから帰ったら、韓国ドラマを観る
起こる確率の高い行動は、起こる確率の低い行動を強化するというプレマックの原理を応用した方法です。
わたしは記事を75分間執筆したらアニメを1本観るように決めています。おかげで飽きっぽいわたしが半年以上もブログを継続できています!
誘惑で抱き合わせることで、
<新しい習慣>を魅力的にする
習慣はポジティブな感情と結びつく
無駄遣いをやめて、貯金しなければならない。
痩せるために、糖質カットしなければならない。
それは「〜しなければならない」のではなく、「〜してもいい」のだとポジティブに捉えてみてはいかがでしょうか。
車椅子で暮らしている男性の話を聞いたことがある。車椅子に縛られているのはつらいですか、と訊かれたとき、彼はこう答えた。「わたしは車椅子に縛られてなんかいないよ。車椅子のおかげで解放されているんだ。もし車椅子がなかったら、ベッドに寝たきりで、家から出ることもできなかっただろうね」。
ジェームズ・クリアー.ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣.パンローリング株式会社.
習慣とは、マイナスの面ではなくプラスの面を強調して捉え直すことで、より魅力的になります。
- 貯金してもいい。貯金すれば、将来に対する安心がひとつ増える。
- 糖質カットしてもいい。健康的な身体は、私の美に磨きをかける。
習慣をポジティブな感情と結びつけ、魅力的にする
第三法則:易しくする
最小努力の法則
人間の真のモチベーションとは、『怠けること・楽をすること』です。(=最小努力の法則)
かつて、農業は、アジア・ヨーロッパ大陸において、アメリカ大陸の2~3倍早く広がりました。その理由は、大陸が横に長いと同じ気候である地域が多く、農業を広げやすかったためでした。
わたしたち人間は、何万年も前から、この最小努力の法則にしたがっています。
人間の真のモチベーションは、”怠けること・楽をすること。
少ない努力で多くを獲得したいという欲求がある。
人間の性質を習慣化に応用したとき、次のことがいえます。
良い習慣を身に付けたい
手間を限りなく減らす(易しくする)
悪い習慣を断ち切りたい
手間を限りなく増やす(難しくする)
抵抗が小さいと、習慣は易しくなります。逆に、抵抗が大きいと、習慣は難しくなります。
例.
- 毎日ヨガをしたい ヨガマットを部屋に出しっぱなしにする(易しくする)
- 勉強に集中したい スマホからSNSアプリを消す。利用したい時に再インストールの手間が増える(難しくする)
人間は楽を追求する生き物。
抵抗が小さいと、習慣は易しくなる。
一度の行動で良い習慣に変える
時として、悪い習慣を断つ方が良い習慣を必然にするよりも成功につながることがあります。
さきほど、”悪い習慣を断つときには、手順を難しくする”と述べました。
これを一歩すすめて”自動化して考えなくする”手段も考えましょう。
ツールを用いて自動化すると、たった一度だけの行動で、良い習慣に変えることができます。
- 生産性
- スマホの通知をOFFに設定する
- SNSアプリを削除する …
- お金
- 自動積立プランに申し込む
- 格安スマホに乗り換える …
- 睡眠
- 良質なマットレスを買う
- 寝室からTVを出す …
たった一度の行動で習慣を変えてしまう事例は他にもたくさんあります!
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第四法則:満足できるものにする
即時報酬と遅延報酬
わたしたちホモ・サピエンスは、狩猟採取民だった長い歴史のなかで、未来のかもしれない報酬よりも今確実に得られる報酬を優先するように進化してきました。(即時報酬>遅延報酬)
そして、その進化の過程で、脳はホモ・サピエンスが誕生したとされる20万年前も、そして今も、ほぼ変わっていません。わたしたちは、旧石器時代の祖先と同じハードウェアなのです。
しかし、現代は、あなたの行動が即座に結果をもたらすことはありません。(遅延報酬の環境)
- 1ヶ月働いたら、給料がもらえるかもしれない
- お菓子を我慢したら、来年はスレンダーな私になれるかもしれない
- 一生懸命練習したら、プロの野球選手になれるかもしれない
この即時報酬の脳と遅延報酬の環境のずれを埋めることが、習慣をより満足できるものにする第一歩です。
先の報酬が見えにくい場合は、報酬の見える化をこころがけましょう。
”見える化”の例
- 2つの瓶を用意して、営業の電話を1回かけたらクリップを1つ移す
- お菓子を1回我慢したら、100円貯金する
- 1日10分スイングしたら、カレンダーに×をつける
それは、まさにあなたが誘惑に勝った証となります。
成功は日々の習慣の産物であり、
ジェームズ・クリアー.ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣.パンローリング株式会社.
一生に一度の大転換などではない
努力を”見える化”する。
その証が、いずれ大きな目標を達成する。
一度の失敗はアクシデント
生きていれば、堅く誓った習慣を守っていても、緊急事態が発生することがあります。
病気になったり、出張が入ったり、信念を挫かれたり、と。
このようなとき、わたしはいつも自分にシンプルなルールを言いきかせる 二回はさぼらないこと。一回の失敗はアクシデントだ。二回の失敗は、新しい習慣の始まりになる。
ジェームズ・クリアー.ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣.パンローリング株式会社.
習慣が途切れてしまっても、すぐに再開できたら問題はありません。
投資家のチャーリー・マンガーはこう語っている。
ジェームズ・クリアー.ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣.パンローリング株式会社.
「利殖の第一原則は、不用意に中断しないことだ」
1回の失敗はアクシデント。
2回の失敗は、新しい習慣の始まり。
まとめ
記事のまとめ
習慣ループと良い習慣のつくり方
- きっかけ はっきりさせる
- あなたが毎日行う習慣と、新しく身につけたい習慣を組み合わせる
- 見えるところに置く、見えるところに置かない
- 欲求 魅力的にする
- 誘惑で抱き合わせることで、<新しい習慣>を魅力的にする
- 習慣をポジティブな感情と結びつけ、魅力的にする
- 反応 易しくする
- 人間は楽を追求する生き物。抵抗が小さいと、習慣は易しくなる
- 一度の行動で良い習慣に変える
- 報酬 満足できるものにする
- 努力を”見える化”する。その証は、いずれ大きな目標を達成する
- 1回の失敗はアクシデント。2回の失敗は、新しい習慣の始まり
たっきーの所感
プロ野球選手をめざした大谷翔平と、プロ野球選手になれなかった者とでは、なにが違うのでしょうか?
両者はまちがいなく、同じ目標を掲げていました。
日常でも、同じような事例は多くあります。
- 営業成績トップの人とそうでない人では、なにが違うのだろうか?
- ダイエットに成功する人とそうでない人では、なにが違うのだろうか?
目標を掲げることは、だれにでもできます。
達成できなかった人に、目標がなかったわけではない。
両者の一番大きな違いは、”仕組み”です。
著者は語っています。目標を無視して仕組みに集中してもおそらく結果は同じだろう、と。
いい意味で、自分を信じないことは大切です。
今の自分の”やる気”とは、目を離したらすぐどこかへ行ってしまう子供のようなものだと、本書を読めば理解できます。
これはわたしの経験談ですが、”気合いではなく仕組みを改善する考え方”を知って、最初に習慣化できたのが『読書』でした。
最初に決めたルールが「通勤電車に乗ったら、本をひらく」というシンプルなものでした。
いま思えば、本書の第一法則を使っていたのだとわかります。
読書は、視野をひろげて、また、思考を深めてくれました。
そして、人生を変えてくれました。
それまでのわたしは、自分に自信がもてない体質の人間でした。
しかし、たった1つ、『読書を習慣にできた』という事実が、わたしに驚くべき自信を与えてくれました。
『自分の人生は、自分がコントロールできる』という確信は、人生にあらゆるものをもたらしてくれます。
ここまで読んでくださったあなたにも、ぜひ”習慣化”を味方につけて、その感覚を味わっていただきたいです。
今後も多くの方に「ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣
今回ご紹介した書籍はこちらです