こんにちは、たっきーです!
たきログは、若手のビジネスパーソンに向けて、本の学びと知識を共有しています。
本日は『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』
(モーガン・ハウセル 著)の紹介です。
お金の心配から早く解放されたい…
FIREするための近道が知りたい…
あなたのそんな悩みを解決します。
- 『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット
』の要約と所感 - お金の心配から解放される思考
- FIRE(経済的自立・早期リタイア)への近道
著者のモーガン・ハウセル氏はベンチャーキャピタルのパートナーを務めるかたわら、ウォール・ストリート・ジャーナルへのコラム執筆や、ニューヨーク・タイムズ紙のSidney賞などを受賞した、投資に精通した方です。
それでは、早速いきましょう!
サイコロジー・オブ・マネーの要約3選
本書の根本的な主張は、「お金とうまくつき合うためには、頭の良さより、行動が大切だ」というものだ。
モーガン・ハウセル.The Psychology of Money 一生お金に困らない「富」のマインドセット.ダイヤモンド社.
本書には投資のテクニックや具体的なアドバイスは、一切書かれていません。
その代わりに、お金に対する心理や価値観を正すための『お金の心理学』について、20項目がまとめられています。
今回はその中から、あなたの経済的自立への基盤となる3つを紹介します。
① 足るを知る
「十分」の感覚がなければ幸せは遠のく。
モーガン・ハウセル.The Psychology of Money 一生お金に困らない「富」のマインドセット.ダイヤモンド社.
古くから言われているように、幸福とは、「結果から期待値を差し引いたもの」なのだから。
人はもっと多くのお金、権力、名声を手に入れたいと願うものです。
しかし動き続けるゴールポストを追いかけても、幸せからは遠のいてしまいます。
幸福 = 結果 ー 期待値
幸せへの第一歩は、『自分の幸福や期待値を定義すること』から始まります。
この定義が確立されていないと、底なし沼に足を踏み入れているのと同じです。
あなたは、お金を得ること自体が目標になってはいませんか?
お金とは価値の交換手段に過ぎません。お金そのものに価値はないのです。
一度立ち止まって、自分の幸福に最低限必要なものは何なのか考えてみましょう。
期待値の増幅は、幸福を遠ざけ、
身を滅ぼすだけ
② 複利の魔法
ウォーレン・バフェットの純資産の95%以上は、65歳以降に得られたもの
モーガン・ハウセル.The Psychology of Money 一生お金に困らない「富」のマインドセット.ダイヤモンド社.
バフェットの経済的成功の最大の秘訣は、『長期にわたって投資し続けたこと』です。(売買の手腕ではなく!)
時間は、誰にでも平等に与えられています。
お金に”時間”という栄養を与えて、”ただ、じっと待つ”。
これがあなたの経済的自立を助ける、なによりも重要なエッセンスなのです。
お金に与える”時間”とは、言い換えるならば、人間に必要な”酸素”と同等です。
お金に”時間”という栄養を与えて”ただじっと待とう”
③ テールイベントの絶大な力
優れた美術品商は、インデックスファンドのような仕組みでビジネスをしています。
(多くの美術品を長期保存 一部の美術品が高値になる 全体の黒字化)
つまり、保有している美術品の99%に価値がなくとも、残りの1%にピカソの作品があれば元が取れてしまうのです。
それと同じようにビジネスや投資の世界でも、全体の1%以下の行動が結果を決めることがあります。
例えば、AmazonのAWS事業が良い例です。
AWSはAmazonの一事業にも関わらず、会社全体の利益をあげています。( AWSとは)
また、投資の世界だとリーマンショックやコロナショックなどの大暴落も、まさにテールイベントです。
ナポレオンはかつて、こんな言葉を残しました。
天才とは、周りの誰もが正気を失っているときに、普通のことができる人である。
ナポレオン
ナポレオンの言葉を借りるなら、投資の天才とは大暴落などで周りの誰もが正気を失っているときに、いつも通りの行動が取れる人といえます。
全体の1%以下の行動が、結果を変えてしまうこともある
お金の心配から解放されるための思考
お金から得られる最高の配当とは
お金から得られる最高の配当とは、「時間」をコントロールできるようになること
モーガン・ハウセル.The Psychology of Money 一生お金に困らない「富」のマインドセット.ダイヤモンド社.
幸せの定義は人それぞれですが、共通するのは「自分の思い通りの人生を送れること」です。
お金(貯蓄)があれば、「自由」という選択権を手に入れることができます。
例えば、次のようなものです。
- 突然仕事を解雇されても、生活を維持できる
- 病気で仕事を休んでも、お金の心配はいらない
- いつでも辞めれるので、上司が怖くなくなる
- 低収入でもやりたい仕事に就ける
- 満員電車に乗る仕事から転職できる
- 好きなタイミングでリタイアできる
現代人は、豊かさと引き換えに”時間”を手放しています。
実際のところあなたが労働者なら、お金を得るために時間を捧げているはずです。
つまり貯蓄とは、あなたが奪われた「自らがコントロールできる時間」を取り戻すための行為なのです。
自分の時間を取り戻すために「貯蓄」をする
本当の「富」は見えない
『豊かさ=富(ウェルス)』は、目に見えません。
私たちは唯一見える外見(=リッチ)で、相手を判断してしまいます。
例えば合コンで、相手の時計や車を見て豊かさ(ウェルス)を判断するのは間違っています。
なぜならあなたの向かいに座る彼は、高級な時計や車が大好きなだけで実際は家計が火の車かもしれません。
豊かさとは、貯蓄率(預金や証券口座の残高)であり、チャンスの源です。
世の中には、地味に見えても実は裕福な人や、裕福に見えても破産寸前の生活をしている人がたくさんいる。
モーガン・ハウセル.The Psychology of Money 一生お金に困らない「富」のマインドセット.ダイヤモンド社.
あなたが持っているのは、ウェルスとリッチのどちらでしょうか?
「ウェルス(目に見えない)」と「リッチ(目に見える)」の違いを理解する
FIRE(経済的自立・早期リタイア)への近道
続いて、FIREを達成するための近道について、みていきましょう。
FIRE達成への操作できる変数
経済的な成功は、何を知っているかよりも、どう振る舞うかが重要な「ソフトスキル」の問題なのだ。私はこのソフトスキルを「サイコロジー・オブ・マネー(お金の心理学)」と呼んでいる。
モーガン・ハウセル.The Psychology of Money 一生お金に困らない「富」のマインドセット.ダイヤモンド社.
投資で大きなリターンを得ようとすると、市場を予測する必要があります。
果てしない変数、不確実性の高さに、頭がパンクします…
「FIRE達成のための方程式」を解くのも、同様の難しさを感じるかもしれません。
しかしその複雑なブラックボックス中で、唯一あなたがコントロールできる変数があります。
それが「貯蓄率」です。
お金を増やすために、難攻不落な方程式を解きますか?
いやいや!それよりも、あなたが今朝買ったコーヒー代を貯蓄に回す方が、FIREへの圧倒的な近道ですよ。
FIRE達成へのコントロールできる変数は「貯蓄率」のみと心得る
誤りの余地をもつ
あなたの投資計画には、どれくらいの”誤りの余地”が含まれていますか?
95%の確率で勝てるものには、5%の負けのリスクがあります。
この5%の負けで人生が破滅してしまうような賭けは、どれだけ勝率が高くても割に合いません。
投資に、”絶対”は存在しない。
インデックスファンドで長期投資していても、”絶対に大丈夫”はあり得ません。
年利が8%だと嬉しいけど、仮に4%でも大丈夫といえる余裕を持って、将来の計画を立てましょう。
投資計画には、”誤りの余地”を持たせる
FIREへ近づく3つのツール
著者がFIRE達成のために頼りにしていることは、次の3つです。
- 高い貯蓄率
- 忍耐力
- 「世界経済は今後数十年にわたって成長を続ける」という楽観主義
私は世界一の投資家になれなくてもかまわない。だが、家族のためにも絶対に投資で大失敗はしたくない。そう考えると、インデックスファンドを買い持ちするというのは、私たち夫婦にとって、ごく自然な選択になる。
モーガン・ハウセル.The Psychology of Money 一生お金に困らない「富」のマインドセット.ダイヤモンド社.
著者の投資の哲学は、「自分の目標を達成できる確率がもっとも高い戦略を選ぶこと」。
結局のところ、その戦略は個別株投資ではなく、インデックスファンドだったということですね。
個別株ではなく、インデックスファンドに長期投資する
インデックスファンドについて知識を深めたい方へ
最終章にひっそり書かれていますが、著者の投資方法は「バンガード社の低コストインデックスファンド1択」だそうです。
下記の2冊でも、バンガード社のインデックスファンドが紹介されています。
まとめ
記事のまとめ
サイコロジー・オブ・マネーの
要約3選
- 足るを知る
- 期待値の増幅は、幸福を遠ざけ、身を滅ぼすだけ
- 複利の魔法
- お金に、”時間”という栄養を与えて”ただじっと待とう”
- テールイベントの絶大な力
- 全体の1%以下の行動が、結果を変えてしまうこともある
お金の心配から解放されるための思考
- 自分の時間を取り戻すために「貯蓄」をする
- 「ウェルス(目に見えない)」と「リッチ(目に見える)」の違いを理解する
FIRE(経済的自立・早期リタイア)への近道
- FIRE達成へのコントロールできる変数は「貯蓄率」のみと心得る
- 投資計画には、”誤りの余地”を持たせる
- 個別株ではなく、インデックスファンドに長期投資する
たっきーの所感
本書の結論は、やはり最初にご紹介したこの言葉に尽きると思います。
本書の根本的な主張は、「お金とうまくつき合うためには、頭の良さより、行動が大切だ」というものだ。
モーガン・ハウセル.The Psychology of Money 一生お金に困らない「富」のマインドセット.ダイヤモンド社.
富(ウェルス)を増やすためには、あなたの小さな行動が基盤となります。
この最初の行動を変えるためにはマインドを変える必要があり、その上で本書が「経済的自由を勝ち取るための必読書」となるのだと感じました。
結局のところ、金融の世界とは人間の心理や感情が動かしています。
しかし私たちは、この金融の世界が一見すると科学やテクノロジー分野のように「数字の世界で”ちゃんと正しく”構築されている」と勘違いしてしまう。
だからこそ市場の予測は不可能であると知りながらも、見せかけの”数字の世界”に賭けをしてしまうのでしょう。まさにお金の真理だなと感じます。
この真理を忘れないためにも、今一度お金に対する姿勢を改めたいですね。
今後も多くの方に『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット
今回ご紹介した書籍はこちらです