こんにちは、たっきーです。
本日は『がんが消えていく生き方 外科医ががん発症から13年たって初めて書ける克服法』(船戸崇史著)の紹介です。
この本は私の父ががん宣告をされた時に実際に参考にした書籍で、がん患者はもちろん家族にも参考になる良書です。
- がん治療についての基礎知識を学びたい
- がん患者の家族としてできることを知りたい
- どんな情報を参考にしたらいいかわからない
- 退院後の食事や生活面について留意すべきことを知りたい
- がん患者の闘病録よりも具体的な改善法を知りたい
- 『がんが消えていく生き方 外科医ががん発症から13年たって初めて書ける克服法』の要約と所感
- がんの統合医療について
- かんが嫌がる5つの生活習慣
留意点
私は医療の専門家ではありません。
本書の一読者です。
他の治療法があったり医学的に適切でない表現もあるかと思いますので、あくまで基礎を学ぶための参考にしてください。本記事を読んでこの本が”参考になる”と感じたら、実際に手にとってぜひご自身の目で確認してください。
それでは、早速いきましょう。
がんに対する心構え
「どうして、お父さんなんだろう…」
ただ、その一言でした。
しかし父ががんに罹ったのは、決して珍しいことではありませんでした。
がんは他人事ではない
私たちはがんを”3人称のがん”でしか捉えられていません。
(あの人のがん、その人のがん、彼のがん、彼女のがん…)
周りにがん患者さんがいなければ、なおのことです。
どこか別の世界の、自分たち家族には全く関係のないところで起こる出来事だと考えがちです。
とんでもない。
実際に、外科医であった著者の船戸さんも「まさか自分ががんになるなんて…」と感じたそうです。
今まで”がんの外科手術を行なっていた船戸さんでも”です。
2人に1人はがんになる
日本では、2人に1人はがんにかかります。
あなたに両親がいれば父か母のどちらかが、がんになる時代です。
そして日本では3人に1人が、がんで亡くなります。
この数字はご存知の方も多いでしょう。しかし実際に想像したことはありますか?
あなたの父が、母が、娘が、息子が、友人が、同僚が…
半分はがんにかかるのです。
私も父ががん宣告を受けて、”初めてがんを認識しました”。正直、それくらいの感覚です。
別の本からの引用ですが、がん宣告をされた方の一文を紹介します。
目の前に広がる世界が冷たいモノトーンのように、僕には感じられた。
刀根健.僕は、死なない。全身末期がんから生還してわかった人生に奇跡を起こすサレンダーの法則.SBクリエイティブ株式会社.
そこは診察室に入る前と、明らかに違う世界になっていた。
がんは”結果”に過ぎない
がんは”結果”です。それまでの生き方とその習慣化の結果です。だから結果だけをメスや放射線、抗がん剤治療で対処しても、過程をそのままにしていたら、もう一度出てくるのが当たり前なのです。
船戸崇史.がんが消えていく生き方 外科医ががん発症から13年たって初めて書ける克服法.株式会社ユサブル.
著者は三大治療(手術、放射線治療、抗がん剤)や補完代替医療(漢方、鍼、灸など)は、あくまでがん治療の”サポート”だと記しています。
『最終的には自分の免疫力で治す』
この意識を持つことは治療を行なっていく上でも、また再発を予防する上でも非常に重要です。
がん治療の種類
統合医療について
がん治療は、ステージや病状にも寄りますが、大きく分けて3つの道があります。
- ① 現代医療(通常医療)
-
西洋医療(手術・放射線治療・抗がん剤など)
- ② 代替医療
-
現代医療の代わりに行う治療法(東洋医学・伝統医学など多種多様)
例:漢方、鍼灸、高濃度ビタミンC点滴、リンパ球点滴療法、HSP入浴法、整骨、気功、催眠療法、サプリ…
押さえたいポイント
- 代替医療のみの場合は、現代医療のみの場合と比較して生存率の低下が早い
- 現代医療に対しての不満から代替医療をめぐり、結局は現代医療に戻ってくるケースもある
(「医師は自分の話を真剣に聞いてくれない」などの不満)
そこで著者がおすすめしているのが、両者を掛け合わせた『統合医療』です。
- ③ 統合医療(総合医療)
-
①西洋医療+②補完代替医療(CAM)
現代西洋医療を中心に治療し、副作用の軽減や再発防止として補完代替医療を用いる
著者は『統合医療はそれぞれの良い面は取り入れ、悪い面を補い合うものである』と解説しています。
ここでわかりやすい本書の例えを引用します。
川が流れていて、真ん中に大きな岩があり、流れをせき止めている(岩=がん、川=患者さん)
西洋医療 = 岩を取り除こう
補完代替医療 = 川の流れをを強くしよう
がんの三大治療(手術療法、放射線療法、抗がん剤(分子標的薬))
- ① 手術
-
対象はピンポイントで取り切れるもの
- ② 放射線治療
-
切ることが難しいケースに行う、部位の周辺を囲って切り取るイメージ(例:脳への転移など)
- ③ 薬物療法
-
塊がない、切って取れないケースに有効
- 抗がん剤
-
全身をめぐるため、がん細胞と正常細胞の両方に作用する。
初期入院以降は外来(通院)のケースが多くなっている。
- 分子標的薬
-
抗がん剤の一種。
正常細胞を可能な限り傷つけず、がん細胞の増殖に関係する分子に標的を定めて狙い撃ちする薬。
正常細胞への影響が少ないだけで薬剤ごとに副作用もある(薬の決定には遺伝子検査が必要)。保険適用は一部。
-
他に、ホルモン療法(ホルモン剤)や免疫療法(免疫チェックポイント阻害剤)があるようです。
がんが嫌がる5つの生活習慣
まず前提として『生活習慣の改善だけではがんは消えません』。
しかし、今までの習慣ががんを作ったことは、紛れもない事実です。
「病院での治療とあわせて家庭でできること」を中心にまとめています。
がんに克つ寝技 ねわざ(睡眠)
10ー6睡眠法(10時就寝、6時起床)
- 何時に寝ても6時起床してリズムを整えていく
- 起床時に朝日を浴びる
- 寝る前のスマホは厳禁(ブルーライトを遮断)
- 寝室は暗室にする(人は耳でも光を感じる)
東北大学が2万3995人の女性を7年間追跡調査し、睡眠時間と乳がんの発症リスクの関係を調べた研究では、平均睡眠時間が6時間を切る人は、7時間以上眠っている人に対して乳がんの罹患リスクがおよそ1.6倍になることがわかりました。…
がん治療において最も重要なことは、治る時間を確保することです。
船戸崇史.がんが消えていく生き方 外科医ががん発症から13年たって初めて書ける克服法.株式会社ユサブル.
治る時間。それが睡眠中なのです。
睡眠時間の確保 = 治る時間の確保
がんに克つ動技 うごきわざ(運動)
6〜8時に1時間のウォーキング(4~5km)
- がんは酸素を嫌うので、有酸素運動をすると、がんがすごく嫌がる
- 朝日を浴びるとセロトニン分泌(幸せホルモン)
15時間後にセロトニンがメラトニンに変化(睡眠ホルモン)
メラトニン分泌の3~4時間後に睡眠派がくる
- なるべく緑が豊かな酸素の多い場所を選ぶ
私たちは呼吸をして酸素を取り込みます。この酸素を用いて動くためのエネルギーを作ってくれるのが、細胞内小器官であるミトコンドリアです。がんは活性化して動くためのエネルギーをミトコンドリアを使って生成することが少ない。対してがんを取り締まるリンパ球は酸素で動いている。
つまり、体内に酸素が多い環境では、リンパは元気になるのに、がんにはメリットが少ない。非常に困る状況なわけです。
船戸崇史.がんが消えていく生き方 外科医ががん発症から13年たって初めて書ける克服法.株式会社ユサブル.
がんは酸素を嫌うので、有酸素運動を取り入れる
がんに克つ温技 あたためわざ(加温)
HSP入浴法(42℃で10分 or 41℃で15分 or 40℃で20分湯船につかる → 湯上がりに15〜20分の保温)
- がんは熱が苦手で、低体温を好む(42.5℃以上で死滅するといわれている)
- 対してがん細胞と戦うリンパ球は体温1℃上昇で活性力が40%増加する
- 対してがん細胞と戦うリンパ球は体温1℃上昇で活性力が40%増加する
- HSP入浴法でヒートショックプロテイン(HSP)が生成されると、免疫力を大幅にUPする
- HSP(ヒートショックプロテイン)は、細胞の損傷を防ぐタンパク質の一群で、どの細胞内にも存在する。熱刺激を受けると細胞内で増える
特にがん患者さんは免疫力が低下している上に、抗がん剤・放射線治療などで免疫力がより低下するので、免疫力を増強するマイルド加温療法はもっとも基本的な治療法です。 ※マイルド加温療法の一種がHSP入浴法
船戸崇史.がんが消えていく生き方 外科医ががん発症から13年たって初めて書ける克服法.株式会社ユサブル.
毎日湯船につかり、身体を冷やさない
がんに克つ食技 たべわざ(食事)
食べ物で身体はできている
(あなたの選ぶ食事=あなたの身体=がん)
”食は健康にとって重要だ”という言い方は弱い。もっとダイレクトです。
船戸崇史.がんが消えていく生き方 外科医ががん発症から13年たって初めて書ける克服法.株式会社ユサブル.
”食べたもので身体はできている”のです。
- がん細胞は糖類が大好き
- がん細胞は正常細胞の4~8倍の糖質を必要とする
- がん細胞に栄養を横取りされて、正常細胞が餓死する
- 今まで食べていたお菓子(糖質)を断つのは極めて有効
- 精製された白米や小麦粉なども避けた方が良い
- できれば米は精製されていない玄米や雑穀米、パンは全粒粉でオーガニックを選ぶ
- ただし消化が悪いので、がん患者は注意が必要
- 積極的に摂るべき食材(=がんの嫌いな食材)
- 緑黄色野菜・根菜・海藻類・キノコ類・豆類・発酵食品
- これらは”天然の抗がん剤”と言ってもいい
- 日常的に使う塩や油は、極力控える
- 使用する場合は下記を優先するとよい
- 塩:岩塩・天日干しの天然塩
- アマニ油・エゴマ油(オメガ3)、オリーブオイル(オメガ9)
- 調理法は煮る・蒸す・茹でるを優先する
- 焼く・炒める・揚げるは、焦げが発がん性を促す糖化現象へつながる
- 焼く・炒める・揚げるは、焦げが発がん性を促す糖化現象へつながる
- 食べる順番は、野菜→タンパク質→糖質は最後
- 食べる順番で、急な血糖値上昇を抑える
- 例:魚焼き定食(野菜・汁物→魚(タンパク質)→ごはん(糖類))
- 朝食は少量を心がける
- 東洋医学で「朝は排泄時間」
- 著者の朝食の一例:調味料を使わない野菜スープ or 人参ジュース or 納豆めかぶ or みかん1こなど
外来のがん患者さんにおすすめする
ジュース
無農薬の人参3本、りんご1個、レモン半分をジューサー
がん患者は400-800ml(予防なら200ml)を毎日飲む
※ミキサーではなく、必ずジューサーでつくる(栄養を破壊しないため)
外来のがん患者さんにおすすめするスープ
野菜5種以上、海藻・キノコ・豆類を入れて30分~1時間、調味料なしで煮込む
もし味つける場合は、味噌・醤油・キムチがよい
がんに克つ笑技 わらいわざ(笑う)
- 笑いによって免疫活性が上がることは研究結果で判明している
- 泣くも良い ”がんは涙に溶ける”
がん関連の書籍やインターネットをよくお読みになっている方々には、もう説明不要かも知れませんが、笑いによって免疫活性が上がることはエビデンスがはっきりとしている真実です。
船戸崇史.がんが消えていく生き方 外科医ががん発症から13年たって初めて書ける克服法.株式会社ユサブル.
笑って、泣いて、”発散”する
たっきーの所感
実際に父ががんになったことで、何も知らない・わからない・早く情報を得たいと思った時に、手に取った本です。
当時は母が病院での説明に同行していましたが、父も母も二人とも動揺しており全ての説明を完全には理解することができなかったそうです。この反応は、当然のことだと思います。
そこで抗がん剤投与開始のための入院期間中に、せめて家族として、食事や生活面での知識を知っておきたいと思い本書を手に取りました。
『がんは結果でしかない』
重い言葉です。本人はもちろん、家族で受け止めて支えていくために、みんなで共有できる本です。
他の方が書かれたがん闘病記録の本も読みました。どの本も参考になります。
しかし本書は圧倒的に明解で、実践方法も具体的。行動につながる本です。
お医者さんの執筆された本ということで、信頼性もありました。
「私たちが”今”できることを知りたい」に答えてくれた一冊です。
他の治療法があったり、医学的に適切でない表現もあるかと思います。あくまで基礎知識を学ぶための参考程度であることを、忘れないでください。
多くの方に「がんが消えていく生き方 外科医ががん発症から13年たって初めて書ける克服法」が届きますように。
※こちらの記事は無収益のリンクを掲載しております。