こんにちは、たっきーです!
たきログは、若手のビジネスパーソンに向けて、本の学びと知識を共有しています。
本日は『スマホ脳』(アンデシュ・ハンセン著)のご紹介です。
スマホの使いすぎは身体に良くないって聞いたけど、
具体的にはどれくらい悪いんだろう?
そんなあなたの悩みを解決します。
- 『スマホ脳
』の要約と感想 - スマホが人体に及ぼす影響
- スマホ脳からの脱却方法
それでは、早速いきましょう!
スマホ脳の結論 『人間の脳はデジタル社会に適応していない』
早速ですが、本書の結論です。
今あなたが手にしている本は人間の脳はデジタル社会に適応していないという内容だ。
アンデシュ・ハンセン.スマホ脳.新潮社.
まずは「なぜ適応していないのか」を、歴史を振り返りつつご説明します。
私たちの脳は石器時代から進化していない
歴史の長さを”点”に例えてみる
私たちという種『ホモ・サピエンス』が誕生してから今までの歴史を、”点”で表してみましょう。
1つの点を1世代とすると、点が 約1万個。
私たちが”普通”だと思っている生活は、長い歴史の中ではつい最近の出来事です。
- 水道・電気・テレビ・車のある生活
… 点8個分 - コンピューター・携帯電話・飛行機のある生活
… 点3個分 - スマホ・インターネットのある生活
… 点1個分
では、私たちの”普通”より以前は、どのような生活だったのか。
人間は長い歴史の中でそのほとんどを”狩猟採取民”として進化してきました。
木の実や植物・動物を捕って食べたりしながら小さな集団を形成して生活する民族のこと
狩猟採取に特化したまま、現代を生きる私たち
長い歴史を狩猟採取民として生きてきた私たちの脳は、デジタル社会に対応できるほど進化していません。
スマホのある恵まれた時代を生きながらも、『頭の中では木の実や動物を探して生きている』。
その名残は日常のいたるところに現れています。
甘いものが食べたい
「食べられるときに栄養を摂取しておかなければ…」
スピーチで緊張する
「共同体から追い出されたくない(一人では過酷なサバンナで生きていけない)」
悪い噂が好き
「裏切り者は自分の命に関わるから排除しよう」
人間の脳は、デジタル社会にまったく適応していません。
それを踏まえた上で、『スマホ脳』の要約を紹介します。
『スマホ脳』の要約3選
① スマホは最新ドラッグと同じ
狩猟採取民の時代では、周りの環境や人を知ることで生存確率を高く保つことができました。
現代人の脳も同じく、新しいものが好きです。
ただし生命の危機が少なくなった現代では、対象が『知識や情報』へシフトしました。
脳は常に新しいものが好き
私たちは知識や情報への欲求を満たすために、Instagramを見ます。
一度目にすると脳からドーパミンが放出され、更に次のページへとあなたを誘導します。
祖先が新しい土地を見つけて開拓したときと同様に、
私たちはInstagramやTikTokを見ることで興奮しているのです。
そうやって脳の報酬中枢を刺激されているんですね。
他人と比較することで孤独になる
SNSには、他人の成功や幸せな情報が溢れています。
その情報を浴びるように与えられて、私たちはときどき『自分がヒエラルキーの下層にいる』と勘違いしてしまう。 (もちろんそんなことはないのですが…)
人間にとって、『自分がヒエラルキーのどの階層にいるのか』という認識はとても重要です。
下層にいると認識してしまうことで「私は孤独でダメな人間だ」と自らにレッテルを貼ってしまいます。
そういった意味で、SNSはメンタル疾患の増加に大きく寄与している。
まさにやめられない、ドラッグです。
② IT企業のトップは子供にスマホを与えない
SNSやデジタル社会の生みの親である、IT企業のトップたち。
彼らが『自身のSNSの利用を制限』して、『子供にスマホを与えない』ことを、あなたはご存じですか?
- スティーブ・ジョブス(Apple社の創業者)
⇨ 10代の子どものiPadを利用制限していた - ビル・ゲイツ(Microsoftの創業者)
⇨ 子どもが14歳になるまでスマホを持たせなかった - ジャスティン・ローゼンスタイン(Facebookの「いいね」を開発した人)
⇨ 自身のFacebookの利用時間を制限
なぜなら子供は依存症になりやすい
生物学上、子どもは大人より”我慢ができない”生き物です。
人間には脳の前方に”前頭葉”という部位があります。前頭葉は『衝動に歯止めをかけて報酬を先延ばしにする』ことができますが、成熟が遅く25〜30歳くらいまでは完全には発達しません。
つまり、子どもが大人より”我慢できない”のは当然のこと。
スマホを手に取りたいという欲求に、私たち大人が勝てないのに、子どもが勝てるわけないのです。
③ スマホが近くにあるだけで成績が落ちる
脳はずっと考え続ける
『注意残余』という言葉があります。 注意残余とは、先ほどまで行っていたタスクを、別のタスクに移った後も脳の一部でずっと考えて続けている現象のこと。
つまり勉強の合間にSNSを眺めると、休憩が終わって勉強を再開した後もずっとSNSのことを無意識に考え続けているということです。
大学生を対象とした実験で判明
ある大学生500人を対象とした実験で、「サイレントモードでスマホをポケットに入れたままの人」と「部屋の外にスマホを置いた人」でテストを実施しました。
結果は「部屋の外にスマホを置いた人」の方が成績(平均点)が高く、なんとスマホが近くにあるだけで影響を与えていることが判明しました。
スマホが近くにあるだけで、認知能力が低下する
スマホを使い過ぎないための対処法
① デジタルデトックス
現代人ですから、スマホを手放すことはほぼ不可能です。
しかし、意識的に手放すことはできます。
SNSの利用時間を制限してみる
デジタルデトックスは生活上困難なので、SNSデトックスにチャレンジしてみました。以降、SNS(Instagram)の利用時間を10分に制限しています。
設定した直後は”一瞬”で利用制限になり、身を裂かれる思いでした…
たとえ継続が難しくとも、『自分が日々どれくらいの時間をSNSに費やしているか』を知るきっかけにはなります。設定自体は簡単にできるので、一度設定してみるのがおすすめです。
SNSデトックスの体験記はこちら
デジタルデトックスのメリット
デジタルデトックスには、あなたが想像している以上の効果があります。
- 脳が休まる
- 睡眠の質が向上する
- 自己肯定感が高まる
- 時間と心にゆとりが生まれる
ちなみに、人気YouTuberの佐々木あさひさんも1週間のデジタルデトックスを実践し、その感想を動画で公開されています。すごい!
② 運動
1週間に2時間程度の運動が良いとされており、運動は、ほぼすべての知的能力(集中・記憶力・ストレス耐性)の機能を向上させることがわかっています。
ウォーキング、ヨガ、筋トレ、ランニング、なんでもOK。
ちなみにヨガや筋トレは家の中でできるので、天気に左右されずに継続しやすいです。
まとめ
『スマホ脳』の要約
『スマホ脳』の要約
- スマホは最新ドラッグと同じ
- IT企業のトップは子供にスマホを与えない
- スマホが近くにあるだけで成績が落ちる
スマホを使い過ぎないための対処法
スマホを使い過ぎないための対処法
- デジタルデトックス(SNSデトックス)でスマホから脳を解放する時間を持つ
- 1週間に2時間程度の運動でリフレッシュする
たっきーの所感
人間の脳が未だ狩猟採取民から進化していないことを知ったことで、普段の人間の行動についての理由づけが明確になりました。
- なぜダイエットが続かないのか
- なぜ悪い噂やニュースが好きなのか
- なぜ人前のスピーチで緊張するのか
この事実を知っているだけで、「そうだったのか!」と気づくことが生活のあらゆる面で見つかります。
スマホとの適切なお付き合いも含めて、私たちはデジタル社会の第一世代。 うまく活用していきたいですね。
本記事で紹介した要点はごく一部です。続きはぜひ直接お手にとってご覧ください。
今後も多くの方に『スマホ脳
今回ご紹介した書籍はこちらです